前回の記事の続きです。
囲碁とはどのようなゲームなのか、チュートリアルとルールを簡単に説明しました。
今回はルールの続きの話になります。
目次です!
石を取る条件(その2)
チュートリアルにおいて「自力で輪が囲えない石は盤外から取り除かれる」と述べました。
「自力で輪が囲える」とは、どのような状態かを説明します。
理解のための2ステップ
説明にはステップが2つあります。
STEP1:相手が打っても儚い所(眼)
STEP2:相手が打っても儚い所(眼)を2つ作る
1ステップずつ理解していきましょう。
STEP1:相手が打っても儚い所(眼)
石は盤上の空いている交点であれば、どこでも打つことができます。
しかし一方で「打っても儚い」場所もあります。
それは、打った瞬間に自分の石のダメが0になるところです。
例として下の図を見てみましょう。

▲ちょうど■印がある所です。
上の図はどれも■印に打った瞬間に黒石のダメが0になります。
ダメが0になった石は盤上から取り出されます。
自分の手番を一回パスしたようなものですので、打っても儚いのです。
このような■印を「眼」と呼びます。
「眼」のようで「眼」でないもの
一方で、「眼」のようで「眼」でないものもあります。
例えば下の図を見てみましょう。

▲図の■は眼ではない。
図の■印は黒が打っても黒石のダメが0になるように見えます。
しかし、白▲を見てみましょう。
白▲のダメはそれぞれ残り■印の1つだけです。
そのため、黒が■印の点に打てば白▲を取れるのです。
取った後、黒■のダメは▲印に残っているため儚くはありません。
比較しよう
このステップの最後に、「眼」と「『眼』のようで『眼』でないもの」とを比較します。

▲図の■印は「眼」です。

▲右図の■印は「眼」ではありません。
「眼」とはどのようなものかを体感していただければ幸いです。
この「眼」がSTEP2で役に立ちます。
STEP2:相手が打っても儚い所(眼)を2つ作る
眼を2つ作ることで「自力で輪を囲った」と判断することができます。
眼を2つ作れば、周囲に相手の石で囲まれようとも、相手に取られないのです。
図を用意しました。確認してみましょう。

▲眼(上図■印)を2つ作ります。
上の図の白石の一団には、それぞれ■印に眼が2つあるのが見えるでしょうか。
眼が2つあるため、どちらの眼に黒が着手をしても黒石は儚くも盤上から取り出されます。
そのため、図の黒石の一団は白からは取られず盤上に残ります。
この白の一団のように、眼が2つあることを「二眼」と呼びます。
※補足:眼に似て非ずな点(その2)
次の図の■印は眼ではありません。

▲上の図の■印は眼ではありません。
その理由は、最終的には「眼のようで眼でない点」になってしまうからです。
一見すると眼に見えますが、×印に石を置いてみましょう。

▲左図の×印に黒石を置きました。
「眼のようで眼でない点」になりました。
眼が2つないので、この白は取られます。
※眼と眼ではないものとの見分け方
眼になりそうな点に対して、以下を満たせば「眼」なります。
・中央:周囲8つの交点の内、相手の石が1個以下のとき
・盤端:周囲5つ(3つ)の交点の内、相手の石が0個のとき
例を挙げて終わりにしましょう。

▲白の点は全て「眼」です。

▲「眼」ではない所があります。
ポイント
- 打った瞬間に自分の石のダメが0になるところがある
- その場所を眼という
- 眼が2つあれば「自力で輪を囲った」と判断できる
- 眼のようで眼でない点に注意
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